全国的に見ても “女性外科医” は増えてきています!
野田令菜 先生
【出身大学】愛媛大学 【卒業年】2015年
今までどのような病院で働いてきましたか?
卒業後は初期研修から乳腺専門医取得まで、卒業大学である愛媛大学で勤務しました。卒後5年目からは愛媛大学大学院医学系研究科に所属し、臨床業務も行いながら免疫学教室にて T細胞のエピジェネティック制御が抗腫瘍活性に及ぼす影響についての研究を行い学位を取得しました。専門医については旧制度での取得ではありますが、地方大学の所属であっても手術の症例数・試験のための知識習得で特に困ることもなく修練を終えることができました。
また、卒後9年目には内視鏡手術などの修練目的に千葉県のハイボリュームセンターで1年間勤務しました。
乳腺科を志望した理由、決め手はなんでしたか?
私はもともと画像診断に興味があったため学生の時には放射線科を志望しており、外科は自分には縁のない科だと思っていました。しかし、実習の際に手術を見学して自分もやってみたいと思うようになり、外科を志すようになりました。
さらに乳腺外科の実習を通して、マンモグラフィ読影という以前から興味のあった画像診断に通じる分野があること、手術だけではなく化学療法やホルモン治療など薬物治療も大変重要であり非常にやりがいのある科であることなどを感じ、乳腺外科という分野に興味を持ち、その後他科の実習を経てもその気持ちが変わらなかったため乳腺科医になろうと決意しました。
現在取り組んでいることや研修や研究について
千葉県のハイボリュームセンターにて内視鏡手術等の修練を行ったため、それらの手術を愛媛の患者さんにお届けできるよう体制を整えています。
また、現在はMRIにおいて体積および造影強度を指標とすることで従来の最大径での評価より術前化学療法の効果判定の精度が向上するかの検討および論文執筆を行っています。
やりがいについて教えてください
乳腺外科医としてはまだまだ未熟者ではありますが、入院・外来などで関わった患者さんに「先生がいてくれてよかった」と言っていただけると乳腺外科を選んでよかったと心から思います。
手術についてはがんを治すのはもちろんのことですが、少しでも整容性を良くするために工夫した結果、患者さんから「傷が綺麗で嬉しい」といった言葉をいただけるとそれが励みになります。
働き方について
愛媛大学では小さなお子さんのいるスタッフも多く所属しています。朝・夕の回診やカンファレンスはお子さんの送り迎えなどがある場合はそちらを優先できるように全スタッフで協力して勤務しています。
当直などについてもお子さんが小さい時は免除となっており、ある程度子育てが落ち着いてきたら希望に応じて可能な範囲でまた担当してもらうという形になっており、子育てをしながらでも働きやすい環境を作っています。
私を含めた子育て中ではないスタッフについてもアルバイトについては適宜上司と相談する機会があり、各スタッフの希望に合わせた働き方ができるようになっています。スタッフ間の仲が良いため臨床で困ったことがあった時にはすぐに相談できるなど、みんなで助け合いながら働くことができています。
所属学会での活動について教えてください
私は日本乳癌学会をはじめ、日本外科学会、日本臨床腫瘍学会、臨床外科学会、日本癌治療学会、日本遺伝性腫瘍学会、日本癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会、日本乳腺甲状腺超音波医学会、日本リンパ浮腫治療学会に所属しています。また、学会関連の専門医としては外科専門医、乳腺専門医、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会責任医師、遺伝性腫瘍専門医を取得しています。
日本乳癌学会ではMIRAY1というグループで若手のみなさまに向けて、公式LINEで情報発信をしたり学会でブース展示などの企画を行ったりしています。
ホームページを見ている後輩たちへのメッセージ
乳腺専門医を目指すにあたり、外科全般の研修を積み、外科専門医をとる必要があります。私はもともと放射線科志望であったこともあり、乳腺以外の外科での研修に関して、不安に思うこともありましたが、どの科でも丁寧に指導していただき、得られるものがたくさんありました。
外科に少しでも興味のある研修医・学生の方、女性だからと不安になったり地方で研修が積めるのか心配になったりすることもあるかと思いますが、全国的に見ても女性外科医はだんだん増えてきています。また、地方で研修を積んで専門医を取得している先輩もたくさんいます。興味はあるけど自分には無理、と最初から諦めてしまうのは非常にもったいないと思いますので、ぜひ乳腺科の実習・研修に来てみてください!