一般社団法人 日本乳癌学会

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先輩からのメッセージ 寺田満雄 先生

最終更新日:2024年5月9日

緊急が比較的少ないため、予定を立てやすく働きやすい

ご協力いただいた先生
寺田満雄 先生
【出身大学】名古屋市立大学 【卒業年】2013年

今までどのような病院で働いてきましたか?

初期研修は蒲郡市民病院という愛知県の田舎の病院でのびのびと研修をしました。その後、名古屋市立大学の外科医局に入局し、外科専攻医として名古屋市立大学病院附属西部医療センターで外科の研修を行いました。当初より、乳腺外科志望で外科の道を選んだこともあり、5年目から愛知県がんセンター乳腺科部でレジデントとして2年間研鑽を積みました。その後、名古屋市立大学病院に移ると同時に大学院に入学、研究は名古屋大学の分子細胞免疫学教室で行いました。大学院卒業後(医師11年目)、アメリカのピッツバーグ大学へ留学し腫瘍免疫の研究に従事しています。

乳腺科を志望した理由、決め手はなんでしたか?

学生時代から、がん診療に携わりたいと考えていました。ですが、当時は乳腺科にはあまり興味がなく「ずっと乳がんだけをみて飽きないのかな?」程度の感想しか持ち合わせていませんでした。働き始めてから徐々に”専門家”として働くことに魅力を感じ始めました。初期研修の際に、自分は緊急の手術や処置で燃えるタイプではなく、腰を据えて患者さんと関わる方が好きなタイプだということに気がつき、じっくりとオンコロジーに専念できる科ということで、乳腺外科と血液内科で最後まで迷いました(当時、腫瘍内科は地域柄あまり馴染みがなかったため、選択肢に挙がらなかった)。
最終的には、初期研修でローテートした際に、乳腺外科の方が性に合っていると感じたというだけの理由で決めましたので、さしてかっこいい大義名分はありません。ですが、まったく後悔はありません。

現在取り組んでいることや研修や研究について

現在、研究としては留学先で臨床検体を用いたトランスレーショナルリサーチやマウスモデルを使った腫瘍免疫の研究をしています。留学中の身ではありますので、臨床研究はお休み中ですが、国際共同の観察研究や名古屋市立大学での臨床研究立ち上げには現在も関わっています。
ライフワークとして、X(旧Twitter)やYouTube(一般社団法人 BC Tube理事)をはじめとしたSNSを用いて、乳がんの啓発、ブレストアウェアネスの普及活動を行っています。医療情報との向き合い方、乳腺科医としてできる社会へのアプローチを考えることが楽しいです。自分でもどこへ向かっているのかはよくわかりませんが、いつもその時やりたいと思うことをやることに決めています。

やりがいについて教えてください

日々の診療、治療の進歩だけでなく、研究や社会へのアプローチを考えたりと自分にとって新しいことが次々とでてきて、多くの方と繋がりができることはやりがいになっています。乳がんという疾患を通じて、様々な形で活躍の場があることが、乳腺科医として働く魅力だと思います。手術、薬物療法、放射線治療、診断、遺伝、サバイバーシップ、検診、啓発、研究…etc.
それぞれみんな、得意なこと、やりたいことは違うと思いますし、途中で興味や仕事のプライオリティが変わることだってあります。それでもどんな働き方、希望にもマッチしうるので、それぞれのやりがいを見出せる診療科が乳腺科だと思います。

働き方について

緊急が比較的少ない診療科のため、仕事の予定を立てやすい点が働きやすい診療科だと感じています。私が大学の所属という要素はありますが、診療以外に研究に費やしている時間は比較的多いです。

所属学会での活動について教えてください

  • 日本乳癌学会
    ・乳癌診療ガイドライン薬物療法小委員会
    ・MIRAY1
  • 日本臨床腫瘍学会
    ・SNSワーキンググループ

ホームページを見ている後輩たちへのメッセージ

どんな分野でもそうだとは思いますが、踏み出してみてはじめて広がる世界があります。学生の頃には見えなかった景色、研修医から見た景色、専門医になってからの景色、研究を始めてからの景色、家族が増えてからの景色。乳がんだけの診療で飽きない?と思っていた学生の自分、研究なんて絶対やらないだろうなと思っていた研修医の自分。私もまだ道半ばですが、振り返ってみると、自分の中でも乳腺診療の見え方はどんどん変わり、より面白くなってきていると感じます。それぐらい奥深くやりがいのある診療科です。ぜひみなさんと一緒に乳腺診療を盛り上げていけたら嬉しいです。

 

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