一般社団法人 日本乳癌学会

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お知らせ

BRACAnalysis診断システムの検査実施の要件と遺伝カウンセリング体制について

最終更新日:2020年6月18日

日本乳癌学会 理事長 井本 滋
日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 理事長 中村 清吾

PARP阻害剤オラパリブの乳癌への適応追加に伴い、BRCA遺伝子変異のコンパニオン診断であるBRACAnalysis診断システムの検査実施は以下の要件を満たすものとする。

1) BRCA遺伝子変異の診断は、乳腺専門医、がん薬物療法専門医、あるいは十分な乳癌薬物療法の経験を有する医師が所属する施設で行う。なお、同医師は日本HBOCコンソーシアム、あるいは日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構等が主催する教育セミナーの受講が望ましい(http://johboc.jpを参照)。
2) BRCA陽性患者ならびにその家族の遺伝カウンセリングは、必要に応じて臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー等が所属する施設で行う。
3) 1) と 2) を同時に満たすことが望ましいが、遺伝カウンセリング体制の国内状況から、1) の施設は 2) の施設と連携のもとでの検査実施を可とする。

要件の理由

1) BRCA遺伝子を含む生殖細胞系列遺伝子変異の病態の理解と説明、PARP阻害剤オラパリブに関する知識と治療など、乳癌を含む遺伝性腫瘍全般に関する高い専門性が求められるため。
2) 遺伝性腫瘍に関する学会認定資格、同学会参加による学習、遺伝性腫瘍に関するカウンセリングの経験、NCCNガイドラインの理解など、BRCA陽性の場合の適切なカウンセリングの体制とその実施が求められるため。

付記:
乳癌未発症者に対するBRCA遺伝子変異の保険による検査実施も重要な課題であるが、現時点では乳癌患者を対象にオラパリブ適応の可否を判定する目的でBRACAnalysis診断システムを実施するものである。

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