近年、患者中心の医療(Patient-Centered Care)が重視され、患者のニーズや価値観を中心に据える理念やアプローチが必要となっています。
この実現には、patient voiceを的確にとらえることが重要であり、患者の体験を主観的に捉える、Patient Reported Outcomes (PROs)あるいはQuality of Life(QOL)の評価研究のさらなる発展が望まれます。
学術委員会では2022年より同研究領域の活性化のため、委員会内にQOL/PRO担当委員が任命されました。
その活動の一環として、乳腺疾患領域で実施されるQOL/PRO研究の支援を行い、同領域における学術振興に寄与することを目的とし、「QOL/PRO研究支援プログラム」を開始します。
研究責任者、あるいは研究代表者が日本乳癌学会の正会員・準会員であれば、どなたでも申請いただけますので、奮ってご活用ください。
QOL/PRO研究支援プログラムの実施要項
1. 目的
乳腺疾患領域で実施されるQOL/PRO研究の支援を行い、同領域における学術振興に寄与すること。
2. 支援する研究
- QOL/PRO尺度開発、既存尺度の日本語版作成
- 乳腺疾患領域で実施されるQOL/PROを評価項目とした横断研究、前向き観察研究、ランダム化比較試験
- PROモニタリング研究
3. プログラム担当者
学術委員会 QOL/PRO委員が実施する。
4. 支援内容
以下の項目に関し、申請者とのミーティングを通じた助言による支援を行う。
【研究計画】
・研究目的、研究仮説
・評価計画(尺度、時期、手法)
・サンプルサイズの設定
・解析計画
【研究の実施】
・調査コンプライアンス
【データ解析】
・QOL/PROデータ解析
【結果の公表】
・結果の解釈、公表
5. 支援を受ける条件
研究責任者、あるいは研究代表者が日本乳癌学会の正会員・準会員であること
6. 支援の申請
申請書(別紙)に必要事項を記載し、乳癌学会事務局(office@jbcs.gr.jp)に送付する。
7. 記録
プログラム担当者は、ミーティングで話し合われた内容、プログラム担当者からの助言内容を要約・記録し、申請者に還元する。
8. 守秘義務
プログラム担当者は、申請研究課題について知りえた情報に関する守秘義務を遵守する。
9. Authorship
本プラグラム支援へのAuthorshipは求めない。
研究成果の公表時には、「日本乳癌学会 学術委員会 QOL/PRO研究支援プログラム プログラム担当者(氏名)の助言を受けた」旨を、謝辞に記載する。