一般社団法人 日本乳癌学会

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学会概要

理事長挨拶

最終更新日:2021年4月6日

一般社団法人日本乳癌学会 理事長 井本 滋

2018年6月に理事長を拝命しまもなく3年になります。故・坂元吾偉先生、園尾博司先生、池田正先生、中村清吾先生に続いて5代目となりますが、ホームページの刷新に伴い改めてご挨拶申し上げます。

就任に当たり、私はミッションとして「国民が安心できる乳癌診療を提供する」こと、ビジョンとして「次の10年に向けて学会の活性化を図る」ことを掲げました。これまでの大きな出来事として、BIA-ALCLの日本人発症に伴うimplant回収と乳房再建術の一時停滞、BRCA遺伝子学的検査とPARP阻害薬の保険収載、リスク低減乳房切除術などHBOC診療の一部保険収載、そしてコロナ禍による乳癌診療トリアージの発信と学術総会・地方会の変化が挙げられます。この間、乳癌診療の向上にご尽力いただいた方々に改めて感謝を申し上げます。

乳癌は画像診断と組織生検に始まり、一人一人のがんの性質に応じて手術療法、薬物療法、放射線療法が選択され集学的な治療が行われています。進行再発乳癌では、薬物療法と放射線療法により病勢のコントロールと質の高い生活を保つことが目標となりますが、エビデンスに基づいた情報を患者・家族と共有し治療選択を尊重することが重要です。そのために学会の取り組みとして、診療ガイドラインと患者向けガイドラインを適宜改訂しています。NCD登録事業を推進し、quality indicatorによる会員施設の診療の向上を目指します。NCDを用いたビッグデータによるコホート研究を進めて、日本人乳癌の特性を明らかにいたします。重要課題は班研究として2年間で成果をまとめ、学会誌である「Breast Cancer」に報告しています。会員の海外交流を促進するため、SABCSでの優れた演題をinvestigator awardとして表彰します。また、GBCC/KBCSと覚書を提携し、日韓の学会でのジョイントセッションや双方の若手医師の交流を進めます。昨年、本学会はSISの会員となりましたので、breast cancer networkへの参加を勧めています。

日本における専門医制度は、長らく学会が専門医を育成し認定する制度でした。本学会が認定する乳腺専門医は外科、内科、放射線科、形成外科など様々な領域の医師から構成されています。しかしながら、2018年厚生労働省、日本専門医機構による新専門医制度が始まり、本学会は外科学会のサブスペシャルティと位置付けられたため、新制度では乳腺外科専門医が育成されます。従って、現在の乳腺専門医は引き続き学会が認定する制度として存続しますが、近い将来、認定医制度は新たな基準による制度へ衣替えいたします。

本学会は正会員と準会員から構成されます。残念ながら会員サービスの面で充実していたとは言えませんが、「Breast Cancer」は学会ホームページからダウンロードが可能です。さて、40歳以下の会員の男女比は女性が優位となり、産休・留学・専門医取得などキャリアパスの面からきめ細かい配慮が求められます。また、乳癌診療はprecision medicineの時代ですが、会員に向けた重要な知見や情報の発信が十分とは言えません。そこで、オンデマンド配信によるメディカルスタッフ向けのセミナーやHBOC診療に関わる啓発ビデオなどコンテンツの充実を目指していきます。さらに新型コロナの終息を待って、市民公開講座を地方で開催し啓発活動を進めることで乳癌診療を側面から支援する予定です。

新型コロナと共に生きる時代となり、感染症対策が全てに優先します。委員会と理事会もハイブリッド開催が基本となり、学術総会と地方会の開催形態も変わりました。今年7月1日から3日の第29回学術総会の開催も新型コロナの抑え込みとワクチン接種の普及が鍵となります。依然として厳しい状況ですが、本学会は来年30周年を迎えます。1964年に発足した乳癌研究会から数えて60年近くになります。そこで、30周年記念誌の発刊と記念式典、並びに学術総会でのパネル展示を企画しています。

これからも本学会へのご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

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