一般社団法人 日本乳癌学会

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お知らせ

BIA-ALCL(ブレストインプラント関連未分化大細胞型リンパ腫)の発生について

最終更新日:2019年6月7日

日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 理事長 朝戸裕貴
日本形成外科学会 理事長 清川兼輔
日本乳癌学会 理事長 井本 滋
日本美容外科学会(JSAPS) 理事長 大慈弥裕之

このたび4月初旬にフランスで一部のインプラントが使用禁止となりました。日本国内で乳房再建について保険適用となっているアラガン社製品もこれに含まれます。BIA-ALCL(ブレストインプラント関連未分化大細胞型リンパ腫)の発生がその大きな理由とされていますが、米国FDAをはじめ他の諸国は、使用禁止とするには十分な論拠がないとしており、フランスにおいてもインプラント手術を受けている患者に対する摘出は勧められておりません。5月になって新たにシンガポールでも販売停止、カナダで使用禁止の決定がなされています。
このフランスの決定を受けて日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会では乳房再建用エキスパンダー/インプラントの認定施設に対して緊急のアンケート調査を行いました。269施設から回答があり、ALCLを疑って検査を行った経験のある施設が16施設、このうち1例がALCLを疑うCD30陽性でした。このALCL疑いの患者についてその後専門施設において詳細な検査を行ったところ日本で初のBIA-ALCLという確定診断に至りました。現在ALCLに対する治療を行っています。同学会ではさらに未回答施設への追加調査中ですが日本乳癌学会においても同様の緊急調査をおこなっています。現在のところ、国内では他にBIA-ALCLの報告はありません。
また、これは17年前に挿入術をうけた当時未承認のインプラントにBIA-ALCLの発生をみたという報告であり、インプラント挿入術後のfollow-upは10年では足りないことを示すものです。2013年のインプラント薬事承認をうけたインプラントに関しては日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会と日本形成外科学会が全例登録を行っています。今後未承認インプラントを含めた全例登録に向けて、その重要性を会員の皆様方においても今一度ご理解いただき、今後ともご協力をよろしくお願い申し上げます。

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